他に貿易系の資格はあるの?通関士との関係は?

これは貿易業界に興味をお持ちである就活中の方からとくに多い質問です。何らかの貿易系の資格を取得することで就活を有利に進めたり、将来の仕事の幅を広げたいという想いから疑問に思われるようです。

これについてお答えすると、他にも貿易系の資格はあります。

そして、資格によって範囲や目的も多かれ少なかれ異なるため、ご自分の目指すところがどこなのかによってそれぞれ受験するかどうかを検討してみてください。一口に貿易業界といっても中では様々に分類されており、仕事内容や会社によって優遇される保有資格は異なります。

ただ、貿易系の国家資格は通関士だけです。国家資格は国の法律で規定されている資格ですから、社会的な信頼度ではやはり通関士が一番です。

そのため、貿易系の仕事に就きたいと思ってはいるが希望の職種がはっきりしないだとか、配属部署が最初からわからない企業に応募したいというのであれば、とりあえず通関士資格を取得するのが無難です。

また、貿易系の企業では通関士資格を持っていれば資格手当がつくことがよくありますが、他の資格でつくということはあまり耳にしません。貿易業界で通関士を知らない方はあまりいないと思いますが、他の資格は業種によっては存在すら知られていないということもよくあります。

資格があって困るということはないため、迷うならどれも持っているに越したことはないでしょう。しかし、そうはいっても取得のためには費用、労力、時間などもかけなければならないし、かけたから必ず取得できるというものでもないので、ご自身の置かれている状況などとご相談ください。

他の貿易系資格

貿易実務検定

貿易実務に関する知識などを出題する民間資格。民間資格とは、民間団体や企業が自由に作ることのできる資格です。貿易事務の求人では同検定保有者を優遇すると書いてあることもよく見られるので、少なくとも貿易事務に絞るのであれば有利に働く資格と言えます。

貿易事務は、比較的パートタイムでも求人の多い事務仕事で、時給が一般的なパートタイムの事務と比べてかなり高額に設定してあることがよくあるため、女性に人気の職業でもあります。会社によっては貿易事務のパートタイマーから正社員に登用されるということもあるようです。

同検定には難しい方から順に、A級、B級、C級とレベルがあります。全ての級において受験資格の制限はありません。

貿易実務検定を保有する人は大抵B級かC級であり、A級保有者はあまり聞きません。A級は出題される英語もかなり専門的で高度なものが多く、難易度が高いからです。

検定の主催団体は日本貿易実務検定協会という団体です。同協会の詳細については こちらを参照。

受験料は高額で、教科書や問題集、過去問も一式揃えればそこそこの値段になるので、独学だとしても取得費用は高めになります。

受験対策業者はいくつか存在しますが、そもそも日本貿易実務検定協会が作成する試験なのに、これから出題される試験内容を知る同協会自身も対策教材を製作・販売しています。そのため、他社が対策をしたところで同協会の対策教材に勝つことなどできるのでしょうか。

出題範囲は、通関士試験の範囲とほんの少しですが重複します。ざっくり言うと、通関士試験は貿易実務のうち通関に限って狭く深く出題されるが、貿易実務検定は通関を含む貿易実務全般について広く浅く出題されるという関係になります。

また、通関士試験では英語の資料が添付されるものの、日本語訳がついていることなどより英語力がほぼなくとも合格は可能ですが、貿易実務検定は英語力がないと突破できません。

難易度の比較では様々なことが言われていますが、両者間で試される力が大きく違うことから一概にいえるものではありません。B級やC級あたりなら断然通関士の方が難しいとは言われますが、英語力がない人にとっては必ずしもそうではありません。

Jamesさんという大手予備校元講師の方が書いた、貿易実務検定ブログが非常にわかりやすいと評判なので、受験される方は覗いてみてください(こちら)。

また、最高峰のA級と通関士試験の両方に合格された方がみこ会にいらっしゃいますので、両試験の比較についてお話をいただきました。ご覧下さい(こちら)。

IATAディプロマ(国際航空貨物取扱士)

国際航空貨物を取り扱う際の知識などを問う試験。IATAという世界の航空会社で構成される業界団体が作った民間資格であり、日本のみならず世界で通用する資格です。

かなりマニアックな資格であるものの、航空貨物運送業界では需要があります。

受験のためには講習を終了しなければならず、基礎(I)コース(Cargo Introductory Course)・危険物(M2)コース(DGR Initial Course)・危険物資格更新(MR)コース(DGR Recurrent Course)という三つの講習コースから選択することになりますが、MRコースは危険物取得者の更新のためのコースなので、実質的に基礎コースと危険物コースの二種類です。

いずれのコースも通関についての出題はされず、通関士試験と出題範囲は重複しません。

IATAディプロマは航空貨物(空路で運ばれる貨物)を取扱い対象とする資格ですが、通関士は航空貨物のみならず海上貨物(海路で運ばれる貨物)についても取扱い対象とする資格です。

また、IATAは世界中の航空会社で構成される機関であり、IATAディプロマも世界各国で共通の試験、資格であることから、通関士とは異なり世界中で通用する資格です。

貿易アドバイザー協会(AIBA)

国際取引業務の専門家集団。入会には試験への合格が必要となります。

https://trade-advisers.com/

輸出入実務サポート、商談通訳・翻訳、海外法規制・市場調査、貿易セミナー講師の派遣、現地視察の同行など、貿易に関する様々な課題の相談に応じる活動を行っています。

みこ会出身の通関士試験合格者の方にも会員がいらっしゃいます。詳しいご説明をいただきましたのでご覧下さい(こちら)。