みこ会+LEC難関科目攻略パックでマイペース合格!

なぎぃ さん(30代女性 貿易事務 2023年度合格 受験回数1回)

この度57回通関士試験に無事合格することができました。どうしても一回で合格したく勉強開始時期を11月に設定し、約一年間受験勉強に取り組みました。勉強する際に意識していたこと、使用テキスト等を簡単にですが体験記としてまとめましたので、ご参考にしていただければ幸いです。

【簡単なプロフィール】

・受験回数 1回

・みこ会+市販テキスト+LEC難関科目攻略パックを使用

・貿易事務の仕事をしているため、基本的な業界知識はあり

・体力がない為、短期間でまとまった勉強をすることは難しい

・コツコツと勉強をすることは苦手ではない

【受験のきっかけ・みこ会に入った理由】

・貿易事務の仕事をしており、業務でプラスになればと貿易実務検定を受験していました。A級を取得し、次は何を目標にしようかと考えた時に以前Twitterで見かけた「みこ会」の存在を思い出しました。色んな方の合格体験記を読むうちに、私もできるかもしれないというワクワク感、また国家資格って何かかっこいいなという漠然とした憧れもあり、通関士資格を取ることを決心しました。

・みこ会に入った大きな理由は、過去問の現段階の法令に則った解答解説が読みたかったためです。税関のHPにも過去問の解答はありますが、あくまでその年度の法令に則したものです。法令が変わったのに変更前の知識をつけてしまうことが怖かったため、またその変更点を自分で調べるのが非効率だと感じたため、入会しました。

【勉強計画】

・勉強計画は、みこ会の記事にある12月から勉強を開始する人向けのスケジュール案を参考にしました。3月までに通関実務の範囲を、5月までに関税法と通関業法の範囲をざっと終わらせることを目標にしました。

・下記のサイトの記事も参考にしました。主に中高校生向けの勉強方法を中心に紹介しているブログですが、社会人の資格勉強に役立つ記事もあります。(Youtubeチャンネルも息抜きにおすすめです)

>>受験の合否を分ける「最強勉強計画」の立て方 https://www.miorin-cafe.com/how-to-make-studyplan/ 「東大みおりんのわーいわーい喫茶」 

・私は直前期に焦るのが嫌だったため、6月頃には過去問で6,7割を取り、それ以降は基礎を固めて確実に合格できる実力をつけることを目標に勉強を進めました。7~9月は暑さが厳しくなり無理をすると体調を崩す恐れがあるため、夏以降は無理しないペースで勉強することを心掛けました。11月から勉強を始め、総勉強時間は500~600時間程だったと思います。

・過去問は2月から解き始めました。まだ知識が中途半端な時期ですが、実際に問題を解いた方が頭に定着しやすいので早めに解き始めることをお勧めします(点数が低くても全然問題ないです!)。通関実務は第45回以降の12年分、関税法と通関業法は第51回以降の6年分を各2,3回解きました。

・LECの講座は、みこ会とのタイアップキャンペーンの時に申し込むとお得です。冬と夏にキャンペーンがあり、冬の方が還元率が高いです。私は1月の冬のキャンペーン(50%OFF)で「難関科目攻略パック」を申し込みました。また会社の福利厚生でLECの5%OFFクーポンがあり、それを併用することもできました。勤務している会社に福利厚生がありましたら、一度確認してみることをお勧めします。

・試験期間中に意識していたことは、程々のモチベーションを維持することです。私の場合11月から勉強を始めたので、途中で息切れしないように自分のペースを崩さないことを心がけました。平日は1~3時間、休日は2~5時間位勉強をしていましたが、体調の悪い日や気分が乗らない日はどうしても出てきます。そんな時は諦めてさっさと寝るか、気分転換に趣味に打ち込む・美味しいものを食べる等、無理をしないことを意識しました。

・勉強時間を記録することも向き不向きがあります。私は性格的に記録した勉強時間を見ると満足して手を抜いてしまう恐れがあること、あと単純に計るのが面倒だったため、時間の記録は行いませんでした。代わりにその日に勉強した内容を月間スケジュール表に簡単にメモしました。後から見返して、最近この問題集をやってないな等、振り返ることができるためです。Twitterを見ると「一日10時間勉強した!」等すごい人がたくさんいますが、年齢や体力、集中できる時間は人それぞれなので、気にする必要はないと思います。

【使用テキスト・ツール】 <>は取りかかった時期

※☆はLECの「難関科目攻略パック」に含まれているテキスト

※使用頻度 ◎多い 〇普通 △少ない

<11月> ◎「課税価格の原則 原則編・例外編」(みこ会)

◎「計算問題ドリル」(関税協会)※昨年度版

<12月> ◎「通関士 完全攻略ガイド(ヒュー赤)」(翔泳社) 

◎「通関士試験 過去問題集アプリ」(みこ会)

< 1月> ◎「ゼロからの申告書」(関税協会)※昨年度版

< 2月> ◎「通関士 過去問題集(ヒュー青)」(翔泳社)

◎「通関実務対策講座 貨物分類編」☆ 

〇「合格ハンドブック」(日本能率協会マネジメントセンター)※昨年度版

△「どこでもできる通関士」(日本能率協会マネジメントセンター)

< 4月> ◎「実践力Power Up講座申告書」☆

< 6月> 〇「通関実務 集中対策問題集 第3版」(翔泳社)

〇「実践力Power Up講座計算編」☆

< 8月> ◎「直前総まとめ講座」☆

「課税価格の原則 原則編・例外編」(みこ会)

・みこ会のテキストは、業者に製本を依頼する方も多かったようですが、私はA4片面に2ページを集約して両面印刷し、パンチで穴を開けて紐を通し使用しました。前年に受けた貿易実務検定A級にも課税価格の問題があるのですが、その時は独学でノートにまとめ苦労しながら勉強しました。理由がわからず丸暗記で覚えていた箇所も、このテキストを読んでなるほどそういうことだったのか!と目から鱗でした。

最初からじっくり読み込むのではなく、まずは簡単に全体に目を通して実際に問題を解いてみることをお勧めします。そこでわからなかったらこのテキストを読む⇒また解くを何度も繰り返すうちに、解き方のコツが掴めてくると思います。

「通関士 完全攻略ガイド(ヒュー赤)」(翔泳社) 

・メインテキストとして使用しました。私はラベルライターとフィルムタイプのインデックスラベルを使用し、章と頻繁に開くページにインデックスを貼り、目的のページをすぐに開けるようにしました。疑問に思ったことはすぐにこちらのテキストを開き、必要に応じて書き込みをしました。書き込みは後から消すこともできるフリクションペンを使用しました。勉強初期に書き込みした内容が、ある程度勉強した後に読み返すと的外れな内容だったりすることがあるためです。

・ヒュー赤は説明が回りくどく感じる部分もあり、サブテキストとして中古で昨年度版の「合格ハンドブック」(日本能率協会マネジメントセンター)も手に入れました。ヒュー赤だと難しく感じた箇所も、シンプルな構成の合格ハンドブックだとスッと頭に入ることがありました(逆にヒュー赤の方がわかりやすい箇所もありますが)。両方読み込むのはあまりよくないとみこ先生も仰っていたので、主にわかりにくい箇所を確認する用途で使用しました。

「通関士試験 過去問題集アプリ」(みこ会)

・みこ会会員限定の過去問題集アプリです。勉強初期から終わりまで使い倒しました。通勤時間やちょっとした空き時間に隙間勉強できるので便利でした。

「計算問題ドリル」(関税協会)

「ゼロからの申告書」(関税協会)

・どちらも年度毎にそれ程内容は変わらないので、中古で昨年度のものを手に入れました。毎年5月位に最新版が出ますが、時間があるようなら早期に手を付けた方がいいと思います。どちらもスキャンして、iPadのGoodnote5に取り込み繰り返し問題を解きました。

・計算問題は「計算問題ドリル」一冊があれば十分事足りると思います。

ただ申告書問題に関しては、「ゼロからの申告書」一冊だけでは対策として少し不十分かと感じました。問題のパターンが少し似通っていると感じるためです。私は翔泳社の「通関実務 集中対策問題集 第3版」と、LECの「実践力Power Up講座申告書」をプラスして、色んなパターンの問題を解くことを心がけました。

「通関士 過去問題集(ヒュー青)」(翔泳社)

・問題量が多く全て解くのは大変ですが、この問題集と過去問の内容をきちんと理解し頭に入れれば正答率6割はクリアできると思います。範囲が広く解きっぱなしだと記憶に定着しないため、下記のような方法で解きました。

 1回目 ⇒普通に解く。ヒュー赤を参考にしながら解説を読む。

 2回目(次の日) ⇒昨日間違えた問題を解き直し。(昨日正解した問題は解答を読むだけ。)

 3回目(一週間後) ⇒全問解き直し。

 4回目(さらに一週間後)⇒前回間違えた問題のみ解き直し。

 5回目以降(適度に間を開けて)⇒前回間違えた問題のみ解き直し。

「通関実務対策講座 貨物分類編」(LEC)

・貨物分類は丸暗記する必要はありませんが、頻出ポイントを押さえるだけで申告書問題を解くスピードがぐんと速くなります。通関実務の中でも貨物分類の知識を問う問題がいくつか出題されるので、その対策にもこの講座が役立ちました。

・貨物分類の基礎知識、97もある類の解説、問題演習の解説まで盛りだくさんの講座です。注意するべきポイントも丁寧に教えてくれます。ヒュー赤等のメインテキストにも貨物分類表が載っていますが、覚え方やポイントまではカバーしてくれていません。受講して本当に良かった講座でした。伊藤先生(じっじ)の独特の雰囲気も癖になります(笑)。

「直前総まとめ講座」(LEC)

・業法、関税法、貨物分類の内容がコンパクトにまとめられています。まさに直前総まとめといった内容で、大事なポイントを効率よく押さえるのに役立ちました。今まで勉強してきて理解があやふやな部分などをこのテキストに書き込み、直前期は暇があれば眺めていました。本番の試験会場にも持っていき、試験が始まる前の空き時間の最後の詰め込みにも使用しました。

【便利なツール】

<iPadとGoodnote5>

・過去問や計算問題、申告書など、ほとんどiPad上で問題を解いていました。その際に使用していたのが、Goodnote5という有料のノートアプリです。間違えた問題のみ集めて自分用にカスタマイズしたノート(問題集)も作ることができ、弱点補強にも役立ちました。

・iPadは無印の64GB、10.2インチのものを使用しています。128GB、256GBのモデルもありますが、他の使用用途が動画や電子書籍を読む程度でしたら64GBで十分かと思います。参考までに私のGoodNote5の容量は、過去問やスキャンした問題集をたくさん入れても4GBいかない程度でした。サイズはmini(8.3インチ)だと文字が小さく特に申告書を解くのが大変なので、最低でも10.2インチはあった方がいいと思います。

・ペンシルはapple pencilを使用していましたが、色んなメーカーから出ているので、純正でなくても問題ないと思います。また、直接机に置いて使用すると姿勢が悪くなり首も痛めてしまうので、ノートPC用のスタンドに置いて使用しました。(BoYataのN21スタンド)

<マイルドライナー>

・ゼブラから発売されている穏やかな色合いのラインマーカーです。優しい色合いで目がチカチカしないのでお勧めです。私が特に重宝したのはグレーです。メインテキストのヒュー赤は文章中に「〇〇法 第〇条〇項」という記述が頻繁に出てくるのですが、そのせいで文章が読みづらく感じる事が多々ありました。そこでこのマイルドライナーのグレーを「〇〇法 第〇条〇項」の部分にマーカーすると、適度に目立たなくすることができ、文章がグッと読みやすくなりました。普通のラインマーカーだと逆に目立ってしまうので、目立たなくしたいものがある時に便利です。

【模試】

8月「関税協会」 業法 36/45(80%) 関税法 47/60(78%) 実務 41/45(91%)

9月「LEC」 業法 29/45(64%) 関税法 36/60(60%) 実務 20/45(44%)

・関税協会・LEC(どちらも会場受験)の2つを受けました。関税協会は比較的平均的な難易度で、LECは少し難しい印象です。私はいつも解き終わった後に何となく見直しをしていたのですが、LECの申告書問題でつまらない見落としをしてしまい、大幅に点を失ってしまいました。この失敗を機に見直しの方法を改めて考え直し、絶対に凡ミスしないよう本番に向けて対策を練ることができました。悪い点数を取るとショックですが、自分の弱点を見つける良いきっかけになりますので、必ず受験することをお勧めします。

【受験当日・結果】

・2023年度の東京の受験会場は、日本大学文理学部のキャンパスでした。10月でしたが残暑厳しく、教室に冷房がかかっていたのですが、座席によっては冷風が直撃します。女性は羽織物やブランケットがあると安心です。私は頭痛持ちで、ストレスを感じたり寒さで体がこわばると頭痛に直結してしまうため、サロンパスやホッカイロも持参しました。結果的にフル活用し何とか試験を乗り切ることができました。

また椅子が固くて長時間座っているときつかったため、腰を痛めやすい方は座布団があると少し楽になると思います。座席は三人掛けの机を二人で使用する配置でした。机に奥行があまりなく、申告書問題を解く際に少しストレスでした。狭い机で紙の過去問を解く練習をしておくと、当日落ち着いて問題を解けると思います。

・テキストは、LECの「直前総まとめ講座」「通関実務対策講座 貨物分類編」の2冊を持っていきました。

ぺんてるから芯が太いマークシート用シャーペンが出ています。これを使用するとマークのスピードが上がり時短になるのでお勧めです。

また、お昼ごはんとおやつは多めに持っていきました。頭をフルで使うので、想像以上にお腹が減ると模試で感じたためです。

・57回は関税法の穴埋め問題が難しく感じました。くじけそうになったのですが、大丈夫!みんな難しく感じているはず!と自分を奮い立たせました。また、事前に聞いていた通り、あまり時間が経っていないのに退出する人が少なくありませんでした。他の受験生のことは気にせず、普段の過去問を解くペースで焦らず落ち着いて問題を解くことを心がけました。

・試験結果は、業法 38/45(84%) 関税法  45/60(75%) 実務  44/45(97%)で、無事合格することができました。

【通関士試験と貿易事務検定A級】

・通関士試験の前年に貿易事務検定A級(以降 A級)を取得しました。詳しい違いは他の方が記事にしてくださっているので割愛しますが、簡単に私が思う通関士試験との違いについて記載したいと思います。

・勉強期間は、A級は約5か月、通関士は約11か月かけました。通関士試験は三教科全てで60%以上を得点する必要がありますが、A級は詳しい合格基準は明らかではないものの三教科の合計で合否が決められるようです(大体50~60%程?)。そのためA級は、一教科で点数を落としてしまっても他でカバーすることが可能です。

・A級はB級の内容を深堀りしたもので、B級よりも記述の割合が多くなります。オフィシャルテキストとして「貿易実務ハンドブック アドバンスト版」がありますが、こちらに載っていなかったりあまり説明されていない問題がほとんどなので、過去問をベースに勉強するのが近道です。私は過去問9年分を入手し、ほぼ内容を丸暗記してしまいました。毎度ニュアンスを変えてくる通関士試験と違い、過去問からそっくりそのまま使い回した問題が多いです。

・貿易実務検定は通関士試験と違い「貿易実務英語」という英語単体の科目があります。TOEICのReadingの文章が読めるレベルの英語力なら問題ないと思いますが、A級は英作文があるので少し注意です。英作文は100点中20点の割合ですが、前述の通り合格基準は三教科の合計のため、ある程度捨ててしまっても他でカバーができれば問題はないと思います。対策として、私はよく使われる言い回しを繰り返し書いて覚えました。一部の固有名詞を変えただけの過去問が使い回された年度もあるので、ヤマを張るのもありだと思います(笑)。

・難易度は、英語に苦手意識がなければA級の方が幾分か優しいと思います。合格率も、A級の方が40~50%と通関士試験より高めです(ほとんどの人がB級に受かった上で受験する背景もあると思いますが)。もし今の私がどちらを受けるか迷っていて、確実に一発合格したいのであれば、受験月(10月)より半年以上あるなら通関士試験、ないならA級を選びます。ただ転職や就職を視野に入れているのであれば、通関士試験に受かった方が有利だと思います。

【最後に】

・長々と書いてしまいましたが、みこ会に出会えて本当に良かったです。年に一度しかない試験なので、とにかく一回で合格したくみこ会の記事や情報をフル活用させていただきました。Twitterでもたくさんの方と繋がることができ、心の大きな支えになりました。

この記事がこれから受験される皆様のお役に少しでも立てると嬉しいです。