自分のペースでコツコツと


tm さん (大学3年生(商学系)2020年度合格 受験回数2回)

私は2度目で通関士試験に合格することができました。通関士の取得を考えている方や、合格に向けてモチベーションを上げたい方、特に学生の方の参考になれば幸いです。

*プロフィール
・現在大学3年生(商学系)
・大学を一般で受験していないので勉強する習慣がない
・要領が悪く、集中力もないがコツコツ続けるのは得意な性格

勉強を始めたきっかけは、物流会社に勤める父が通関士資格を持っていたことです。就活に向けて資格に挑戦したいと思っていた私は、持っている人が少なくて取れたら周りと差がつきそうな通関士の資格を目指すことに決めました。

*勉強時間
1年目:約100時間
2年目(2020.3〜):約400時間
計500時間

*使用した教材
・Forsight(2018.11〜):フルカラーが◎だが理解しにくい
・みこ会(2020.3〜)
・TAC(2020.4〜):貨物分類暗記ノートのお陰でだいぶ覚えられた
・ゼロからの申告書(2020.7〜)

《1年目》
1年生の秋頃、受けられそうな試験かどうか試すためにフリマサイトでForsightの教材を購入し、勉強を始めました。しかし、1年目はあまり真剣に勉強しておらず、53回の試験は次回来るときのための練習の気持ちで受けました。

《2年目》

*3月後半〜4月
去年の受験以降通関士に全く触れていなかったのですが、世の中は自粛モードになり外に出かけられなくなったので、通関士の勉強を再開することにしました。久しぶりにやってみると解き方を忘れていて解説を見ても難しく、これから就活と両立できるのか等不安要素がたくさんありました。しかし、去年中途半端に勉強した分が結果として何にも残らなかったのが悔しかったので、リベンジを決意しました。

1年目まではほとんど独学で、専門用語もよくわからないので、理解できずに文字をそのまま覚えている状況でした。しかし、1人での勉強は限界があるため3月にみこ会、4月にTACに入会しました。(ちなみに父には時々教えてもらいましたが、合格したのが20年程前なので…)みこ会とTACのおかげでテキストの内容がだいぶ理解でき、記憶が定着しやすくなったように感じます。
TACは教室講座を選択したのですが、緊急事態宣言で最初からWeb講座に切り替わりました。Web上で質問できるのですが、返答までに時間がかかりそうなので基本的にはみこさんにラインで教えていただきました。

この時期は忘れかけていた実務や関税法を中心にテキスト→演習の繰り返しをしてひたすら知識を入れました。

*5月〜6月
5月で範囲を一通り終えて、6月からはTACの教室講座が再開すると同時に家での勉強は過去問に入りました。過去問は最終的には10年分を2〜3周しました。必ずタイマーをセットしていたので、解くたびに早く解き終わるのを実感できました。そして何より私は解説に時間をかけていました。間違えた問題は印をつけておき、何回も間違えた所は後からそこだけ復習できるようにします。さらに、間違えた問題で不安なものはルーズリーフに書き出し、自分で一問一答形式にしてまとめました。赤シートで解答が隠れるようにして、電車の移動中などにやっていました。

これをずっと続けていたため通関業法3枚分、関税法9枚分にもなりました。通関士試験の日本語は言い回しが難しいので、何度も問題に慣れることが大切だと思います。

*7〜8月
6月に発売されたゼロからの申告書2020年度版は、Amazonで発売日前に予約しても人気なのですぐ入荷未定となり、7月になっても来ませんでした…結局キャンセルして大きめの本屋で買いました。関税協会の公式サイトから予約するのが1番いいそうです。
ゼロ申は難易度が高いので苦労しましたが、これが理解できれば本番の申告書が簡単に思えるので頑張って良かったです。

模試は、関税協会とTACの二つを受けました。

関税協会:業42/45,関42/60,実29/45

TAC:業33/45,関39/60,実29/45

ちなみに去年の関税協会の模試は実務2点という酷さだったので、今年の努力が結果となって表れて嬉しかったです。

*9月〜
苦手分野や重要度の高い単元を重点的にやりました。私の場合はこんな感じでした(↓)
[苦手]
・課税価格の決定
・外為法
[重要]
・課税物件確定の時期、法令、納税義務者
・事前照会

課税価格の決定はとにかく細かい内容で実務に直結するのでこまめにテキストだけでも読んでいました。
また、事前照会は実務で割と毎年出題されている印象だったので、完璧に覚えました。意外と範囲は狭く問題パターンも少ないので、ここで覚えておくと当日の心の余裕が違いました。

*試験結果
業34/45,関40/60,実34/45

今年の問題は消費税など見慣れないものもあって少し焦りましたが、6割とれれば大丈夫と言い聞かせてできる問題を確実にしていきました。手応えとしては、凡ミスがなければなんとか合格ラインにのるかなという感じでした。自己採点で6割を超えたときはホッとしました。

*全体を通して
私は2年目からアプリで勉強の記録をつけていたのですが、勉強時間や内容の偏りがわかるだけではなく、同じく通関士を目指す方と記録を共有できたのがモチベーションに大きく影響しました。勉強する習慣が本当になかったのですが、忙しくても毎日必ずやると決めていたので3月から勉強しなかった日は5日間だけでした。毎日続けることが合格に繋がったのだと思います。
3科目の勉強の比率は通関実務5:関税法4:通関業法、その他1でした。2年目だけの記録なので、初めて受ける方はとにかく通関実務の割合を増やすことをお勧めします。
また、勉強量が多いので月ごとのざっくりとした計画とその日やるべきことをチェックリストに書くと、進めやすかったです。

今年は大学の授業も就活もずっとオンラインで、さらに友達と遊ぶ機会もなく勉強時間を確保できたことがこのご時世の不幸中の幸いでした。
就活については、貿易に興味があるので海外と関われる物流、メーカー、商社を中心にみています。大学在学中に部活などに打ち込んでいた経験もなく、かといって話術に自信もないので今年通関士に合格して一つの目標を成し遂げられたことは本当に嬉しく、達成感でいっぱいです。

長くなりましたが最後まで読んでいただきありがとうございました。
長期戦で先が全く見えず苦しいこともありましたが、1年目で諦めなくて良かったと思っています。皆様も適度に息抜きをして(私は休憩ばかりでしたが)頑張ってください。